- 2015.08.27
- 時間が深める信頼関係
処暑が過ぎ、ヒグラシの声に夏の終わりを感じます。
ようやく暑さも和らぎ、台風の影響もあってか、朝夕は涼しい風が吹くようになりました。
8月は慰霊の月です。
原爆の日、御巣鷹山の日航機墜落事故、終戦記念日、お盆と鎮魂の行事が続きます。
防災の日が近づいていることもあり、メディアでも慰霊を題材にした番組や記事が数多く見られます。
先日、震災で亡くなった男性のことを伝える番組を息子と観ていた時のことです。
その男性は、妻の安否を気遣い、妻を探し、待った為にご自身が津波の犠牲になりました。
遺された奥様も心のやり場が無く、後悔ばかりの日々が続きます。
それを観て、息子がぽつりと呟きました。
「お父さんも必ずそうするに違いない。そしてお母さんはお父さんが探している事を確信し、お互いに待ち合うだろう。だからこそ、いざという時の取り決めをしておかなければ二人とも死んでしまう」と。
思えば、私達は日航機墜落事故の年に結婚し、早30年が経ちます。
それまでの交際期間を含めれば35年もの月日を一緒に過ごしている事になります。
知らぬ間に子供たちの目にも、そのような信頼関係で結ばれていると映っているのでしょう。
JMA四日市ではよく交際中のカップルから様々な相談を受けます。
全く違った環境で育った二人ですから、迷ったり、相手に対する不満があったりするのは当たり前ですし、交際し始めの頃は、まだまだお互いに手探りの状態ですから、戸惑いや不安があるのも当然です。
また、結婚後もしかり、結婚当初は慣れないことの連続で気持ちがすれ違う事もあるかもしれません。
そして長い年月を経て、やっと、あうんの呼吸と信頼関係を築けるものではないでしょうか。
互いの足らない部分を補い合い、高め合いながら自分たちの家庭を築くこと。
それこそが私たちスタッフの願いです。
谷川俊太郎の詩に「ここ」という詩があります。
私にとっての「どこか」が、いつの間にか、あなたにとっての「ここ」になっていくという詩です。
夫婦の信頼関係もそうであるように、愛情は目に見えたり計ったりすることはできません。
この詩のように、知らぬ間にお互いにとっての「ここ」になれればと願ってやみません。